ホルベイン 枚岡工場見学 HOLBEIN Hiraoka factory


高森幸雄 - ホルベイン工場見学

大阪にある、ホルベイン枚岡工場へお邪魔させていただきました。

 

この工場では主に水系の絵具(アクリル絵具・水彩絵具など)や、画用液が生産されています。別の工場で油絵具の生産、絵具の充填とパッケージが行われているそうです。

撹拌工程

まず、水彩絵具をつくるには顔料と展色材を撹拌機で混ぜ合わせます。

アクリル絵具の場合は、顔料と捏和(ねっか)材を混ぜ合わせます。

練成工程

撹拌機で混ぜただけではダマが残り、滑らかな絵具にはなりません。

さらに絵具を細かく摺り合わせるために、3本ロールミル、もしくはビーズミルが使用されます。

 

3本ロールミルは、それぞれロールの回転速度と回転方向が異なるためロールの間に摩擦が生じます。このロールの間に絵具が通ることで細かく顔料が分散され、

滑らかで均一な絵具に仕上がります。

この工場では、主にセラミック製のローラーが使用されていました。(ロールには、鉄、もしくは花崗岩から作られたものも存在します)

 

ビーズミルは、小さなタンクの中にビーズを敷き詰め、絵具と共に撹拌するとタンク内で凹凸とビーズ同士がぶつかり、その衝撃で絵具を細かく練ることが出来るそうです。このビーズは絵具とは別に濾過され、繰り返し使用できます。

真空撹拌機

アクリル絵具は練成工程の後に、撹拌機で展色材と混合されます。

空気を抱いて泡立ちやすいため、さらに仕上げ工程では真空撹拌機を使用して気泡を取り除きます。



品質管理

出来上がった絵具のサンプルを採取し、品質を検査します。

品質管理では、「測色計」を使用した色彩検査や、「平行板粘度計」で絵具の粘り気や硬さの測定、「赤外分光光度計」による化学物質の分析、「フェードメーター」による紫外線照射で耐光性テストなどが行われます。

これは自分の手の色を「測色計」で測定していただきました。色相、彩度、明度、マンセル値で数値が表示されています。

「赤外分光光度計」では、絵具の乾燥に従って変化する化学構造を調べることが可能です。


ホルベイン絵具用顔料の基本色

顔料と展色材を混練した際の色の検査では、「フーバーマラー」を使用します。回転するガラス板で顔料と展色材を練り合わせて絵具状にし、色調が基本色に合っているかどうかチェックします。顔料は世界中から取り寄せているそうです。

この「平行板粘度計」では、絵具の「粘稠度(consistency, viscosity)の計測を行います。

金属製プレートの中心に空けられた穴へ絵具サンプルをセットして、プレートを取り外すと一定量の絵具が残ります。

この上からガラス板で一定の力で押さえつけると、絵具の広がり具合が自動で数値化されディスプレイに表示されます。

これは傾斜のあるガラス板で、この端に絵具サンプルをセットし、15Kgのローラーで引き伸ばして粘度を確認できます。



サンシックンドオイルを製造するための設備です。

この設備は日光の当たりやすい屋上に設けられていました。

乾性油を日光と水に長期間晒すと、サラサラだった油に粘性がでてきます。

この時は、水と油を抜いた後の状態でした。


ホルベイン ケーキカラーの製造機械。

一度プレート状に乾燥させた水彩絵具を圧縮して押し出すことで固形水彩絵具(ケーキカラー、もしくはパンカラー)を成形しています。



天然樹脂を溶解するための容器と、溶解した樹脂から不純物を濾過するための濾過装置。内部は何層ものフィルター構造になっています。


出来上がった絵具・ジェッソや画用液類はパッケージされ、出荷されます。

 

 

この度は、ご多忙中にも関わらず工場をご案内いただき、

誠にありがとうございました。


※写真・記述などに問題のある場合は、該当する箇所を削除致します。

 

掲載日:2013年9月19日