高森幸雄 塗料化学 Yukio Takamori - Chemistry of paints

土から顔料を作る Making Pigment

土から顔料を作る-1 Making Pigment

(1)

黄土の堆積層

川の流れに乗って鉄分が堆積し、水と空気に触れて酸化したもの(酸化鉄)。

黄土、赤土、緑土は世界各地で産出する。

 

土から顔料を作る-2 Making Pigment

(2)

左:緑土 右:黄土

それぞれ土塊を採集後、水分を飛ばして乾燥させたもの。

黄土は主にケイ酸塩・水和酸化鉄から組成されている。

緑土は炭酸カルシウム・水酸化マグネシウム・ケイ酸アルミニウム、カリウムなど、多様な鉱物から成る。

 

土から顔料を作る-3 Making Pigment

(3)

乾燥させた土塊を粉砕し、2〜3倍程度の水を加えて煮沸する。

 

土から顔料を作る-4 Making Pigment

(4)

沈殿した小石や砂などの不純物は除去する。

沈殿物以外を別容器へ移し、更に2〜3倍程度の水を加える。

 

土から顔料を作る-5 Making Pigment

(5)

一定時間経つと、上澄み層、中間層、沈殿層の3層に分かれる。

不純物として、上澄み層には水可溶分が含まれ、沈殿層には砂などが含まれる。

上澄み層を破棄、中間層のみ別容器へ移し、容器底の沈殿層を破棄する。

元の量まで水を加え、再び3層に分かれるのを待つ。

数回この作業を繰り返すと上澄み層が徐々に透明になり、沈殿物がなくなる。

 

顔料(固形粒子)は水中での沈降速度に差があるため、繰り返し水簸することで不純物が除去され、顔料としての純度が向上する。

(より高度な水簸を行って顔料粒子を分級したい場合は、水を加えて顔料が沈殿するまでの時間を容器ごとに計測して行う)

 

土から顔料を作る-6 Making Pigment

(6)

(5)の作業で分けた中間層のみを浅底の容器へ移し、水分が無くなるまで日光下に置いて乾燥させる。

 

土から顔料を作る-7 Making Pigment

(7)

乾燥した顔料を乳鉢、乳棒で粉砕する。

粉末状に粉砕した顔料は、フルイで分級して粒子の大きさを分けることが出来る。

 

土から顔料を作る-8 Making Pigment

(8)

上記の方法で精製した2種類の酸化鉄顔料。展色材と練り合わせて水彩絵具や油絵具などに加工できる。

 

→ 油絵具の作り方

 

 

土から顔料を作る-9 粉砕工程図 Making Pigment

この処方で生じた如何なる損害に関しても、責任を負いかねます。全て自己責任にて実行して下さい。

また、実際に行う際は火災や怪我のないよう、十分注意して下さい。

土壌を採集する場合、土地管理者の許可が必要な場合があります。